冷めたウィンドウズ・ユーザーとしては、これまで「iPod」とか「インテルMac」とか言われても、別になんとも思わなかったのですが、今回のニュースはさすがに印象深いものがありました。
私が一番注目したのは、モバイル用 OS X。
Symbian OSやLinux、Windows Mobile(CE)といった、携帯電話機向け汎用OSの覇権争いに、アップルが名乗りをあげたことは大きな意味があるでしょう。
昨今のIT企業は、ネコも杓子もパソコンから携帯電話機に軸足を移しつつあり、マイクロソフトが不採算だのなんだの言われながらCEを育ててきたのも、この巨大市場を征服する野心があればこそです。
私としては今まで、インタフェースがパソコンのWindowsに似ている(使い勝手は最悪ですが)Windows Mobileは、他社OSに比べ一日の長があると思っていました。
しかしそれは、パソコンに慣れたユーザーがスマートフォンを使ううえでのメリットに過ぎず、そうした人は膨大な携帯電話機ユーザー全体からすれば少数派です。
しかしiPodはどうでしょう。パソコンは持っていなくてもiPodなら持っている人は大勢いますし、持っていなくても欲しいと感じてる人も決して少なくありません。その層は、パソコンユーザーよりぴったりと携帯電話ユーザーに重なります。
iPodと携帯電話機の近しさは、パソコンと携帯電話機の近しさをしのぐと思います。
パソコンやワークステーションの市場では少数派だったMacが、携帯電話機の世界では逆転して多数派になれる可能性は十分あるのです。
かつて口さがない人のあいだで「21世紀が過ぎ去るころ、アップルはオーディオ機器メーカーとして記憶されるだろう」という冗談も聞かれましたが、今回のパソコン→iPod→携帯電話機という展開は、見事に潮流に乗ったものといわざるを得ません。
ただ、アップルが切り開く携帯電話機の世界は、これまでのMacユーザーが作り上げてきた少数派によるコミュニティとは全く違ったものになるかもしれません。すでにiPodはMacユーザーのコミュニティを飛び出して、新たな広がりを見せています。
もちろん、アップルが、携帯電話においてもパソコンと同じく「良き少数派」にとどまる可能性もあります。それはたとえば、他社によるモバイル OS X搭載製品の生産を認めるのか、といった問題も含めて、アップルのカジ取りにかかっているでしょう。
…尤も、日本の携帯電話業界は、独自規格を重視して「鎖国」状態ですので、海外のダイナミックな動きには関わっていけないのですが…とほほ…。
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