2007年03月03日

GoogleはEvilへ堕落しつつあるのでは?

CNET Japan Blogの「グーグルに苦情を言ったら逆に脅された--あるサイト運営者の話」を読んでいて思い出した話です。

Googleの検索精度はYahoo!より落ちている、というのが私の感覚です。特に、米国版や動画検索などでその傾向が顕著だと思います。

かつてIT業界で、MSに対する感情的評価が無条件のBoo!だったように、今Googleに対する感情的評価は無条件のCool!です。しかし、すでにGoogleがMSと同じく寡占の地位に登りつつあることを考えれば、もうちょっとGoogleに警戒心を持った方がいいのではないでしょうか。

というとIT業界の知り合いは、ほとんどが鼻で笑いますが。

なるほど検索精度については、私の意見は主観に基づくものですし、Yahoogle!でも使えばそれで済む話です。(個人的にはGoogleが検索技術の向上に怠慢になってきているのは、堕落の兆候だと思っていますが)

しかしどうしても納得できないのは、Googleの情報検閲です。
グーグル八分とも言いますが、好きな言葉ではありません。

ともかく、順を追って話しましょう。
これは中国ではなく、日本でのできごとです。

日経メディカルオンラインに以前、「病院前で患者が抗議の焼身自殺、6年におよぶ医療訴訟の果ての決断」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200612/502081.html
という記事が載りました。

その自殺者の遺族が運営している告発サイトがあります。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/medical/

このサイト、Yahoo!で「筑波メディカルセンター 医療過誤」とクエリを打ち込むとトップにあがりますが、Googleではどう検索しても見つかりません。

それもそのはず、実はGoogleが筑波メディカルセンター病院からの要請を受けて、検索インデックスからサイトのURLを削除しているのです。
検索結果を一番下まで見れば「Google宛に送られた法律に関するリクエストに応じて、検索結果のうち 1 件を削除しました。必要に応じて、ChillingEffects.org(*) で削除が発生したことに至った苦情を確認できます。」という表記が見つかると思います。

法律によるものか…なら仕方ない…とお思いになりますか?

でも待って下さい。医療過誤の問題については、まだ被害者と病院は係争中で、決着はついていません。
サイトでの告発だって裁判所は違法だと言っていないのです。Googleは自分が訴訟に巻き込まれるリスクを避けるために、病院だけの一方的主張を受け入れて、告発を封じ込めたのです。

今のネットでは検索エンジンにひっかからないサイトは、存在しないも同然です。
病院や企業、官公庁にとって都合の悪い情報を「訴訟するぞ」と脅して検索インデックスから削り取らせれば、ネットの言論はどうなってしまうでしょう。少なくとも立場の弱い個人の運営する告発サイトは非常に不利になります。

じつは病院側はYahoo!にも削除依頼をしています。Yahoo!も色々問題はありますが、少なくとも、このケースについては、Googleより公正な態度をとりました。

検索エンジンの事業としての位置付けや、プロバイダ制限責任法などの問題もからみ、簡単に答えは出ません。

しかしそれを差し引いても、GoogleはいまやNot Evilであることにあまり熱心でなくなっているように思えます。

もちろんブリンなら、絶対にこうしたことを許さなかったでしょうし、日本法人はあくまで、日本人が日本的価値観で意思決定している点も考えなくてはならないでしょう。でも国際展開の拡大による弊害を止められないのも、米国本社に問題があるのではないでしょうか。いわゆる、企業統治の不足といった印象を受けます。




参考書籍:グーグル八分とは何か
http://www.9-ten.co.jp/bookdata/1469.php
書き手に色々問題があり、文章としてはヒドいですが、掲載している事実(fact)については一読の価値があります。

*ChillingEffects.org(萎縮効果情報センター)は、米国の電子フロンティア財団が開設したサイト。
法や権力などの濫用によるインターネット上の言論統制に対抗するため、その事例の収集を行っています。
グーグルは中国での事業存続のため、現地政府の指導に基づく情報検閲を受け容れざるを得なくなった2004年から、いわば「釈明」としてこのサイトへのリンクを表示させ始めました。
posted by クリッパー at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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